2016年06月05日

[音楽人の仕事術]ソフトバンクの「Pepper」を生んだ林要さんの記事(ダイアモンドonline)を読んで

こんにちは。風邪こじらせ系女子のヤンでヤンス。はい、そこ!「女子」の適用可能年齢範囲の定義についてゴニョゴニョ言わない!

もうこれは私たちの手から離れてしまった言葉で、「「すべての女性」に「女子」を使って良い、特に、女子といわれなくなって久しい年代の人たちに使うと、目が生き生き輝きだすので、これでいいのだ」と、メディア様と世間様が雰囲気的に定義付けてしまった今となっては、もはや「新しい生(=意味)」を得てしまったその言葉を誰にもとめることなど出来ないのでアール。それはまるで大学デビューをして変わって行ってしまう、昔は純朴だった友達を無謀にも止めようとするのと同義なり!

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というわけで、改めまして、こんにちは。

私は音楽のことを考えながらも仕事のことも考えていて、同時に「いったいどこへ行きたいんだろう…」と、漠然とした不安をいまだに抱えています。悩める子羊(30代)ね。
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サラリーマンやりながら音楽やる。

ただ、それだけのことなのに、その中身を具体的に考えると、とたんに選択肢は膨大になり、星の数ほどもパターンが出てきます。30越した今からでも行ける場所も多く、いまだに迷いはあるんです。

そしてここ数日は体を壊していたのでさらにその迷いはどんよりとたちこめ、水槽にたらした一滴の墨汁のようにモクモクとくすぶり、以前何かで読んだエントロピー増大の法則のことをぼんやりと思い出しながら...

そんなときにダイアモンドで林要さんの記事を読みました。
http://diamond.jp/articles/-/91807

林さんはいわずもがな、ソフトバンクのPepperの総責任者、もとトヨタのF1プロジェクトをも指揮していた方。まあ、凡庸で文系なヤンとは雲泥の差がある輝かしい経歴の方なのですが、色々なところでインタビューや記事なども多いので、その方がどのような方で、どのような苦労をされてきたのかその片鱗に触れる機会はそう少なくないでしょう。

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記事の中で印象に残ったのは「影響力」「政治力」という言葉。自らを職人気質でコミュニケーションやマネジメントはどちらかというと苦手と分析する林さんが、できれば一人で黙々と何かを作っていたい気質であるらしいことは頷けます。ただ、同時にそんな人が大きなプロジェクトを動かしてきたということにも少なからず興味を持ちました。

記事の中で林さんは、一職人がプロジェクトに携われるのはごく一部で、それがもどかしくて、「経験とキャリア」を積み重ねて一職人からの脱却を図ったと言います。記事を読めば分かりますが、結構大胆なステップを踏んでらっしゃいます。その大胆なステップで得た「経験とキャリア」は「説得力」を生み、それが認められたら「影響力」となります。そしてその積み重ねと「情熱」で「政治力」を手にしてやっと大きなプロジェクトを納得いくようにまわすことができてくるとおっしゃっています。林さんはそれを理解し、血のにじむような挫折や努力を経て会得したのだと思います。また、「情熱」も大きな影響力を生む重要な要素だとも書かれています。これ、私が苦手な分野ですね。情熱を相手に伝えるのって本当に大変です。自分自身が陶酔する必要すらあります。アドレナリン全開で挑んで初めて伝わるように思います。

さて、一方「政治力」についてですが、職人気質の人は「政治と金」みたいなことを嫌う傾向にあると私自身は思っていて、私もどちらかといういとそういう人です。ただ、それらを大きく回していけない人はやはり、プロジェクトリーダーにはなれないんだな、ということはよく分かります。「お金のことは面倒なので携わるのはいやです」こういう人は大きなプロジェクトは任されないので、一職人としてプロジェクトに関わるというのもひとつの道だと思います。(え?私ですか?私は向いてなくてもプロジェクトリーダーになりたいです。)

こんなに良い案なのに、私の、俺のやっていることはこんなにいいことなのに、会社は認めてくれないと嘆いても何も生み出さないし、両者にとってマイナスにしかならない、という意味のことを書いていらっしゃったのですが、本当にそのとおりです。「影響力の無い状態で何を言っても無駄です。」は、はいぃっ!すみませんその通りです。(土下座)

愚痴は言うとすっきりするときもあるので、私は全面的に否定はしませんが、用法用量を守らなければ毒にしかならないと常々思っています。自分が認められないのが悔しければ認められるように動くか、居場所を変えるか、我慢するしかありません。上司が間違ってる、会社が間違ってると言ってみたって、負け犬の遠吠えにしかなっていないようなら、やはりその言葉に意味は無いのです。
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ということで、この記事を読んで少し自分の中で整理がついたのは、「職人気質でも、誰でもリーダーになれる」ということ。バンドでやるときにも、もっともっとリーダーシップを発揮せねばね。9月のCat Soupのテーマは「ロック」だぜ!

で、今後この手の自分が読んだ記事や書籍の備忘録的なものも描いていきますねー。みなさんも風邪には気をつけて!

しかし今後もロボとAI,VR産業は目が離せないなぁ〜ワクワク、と、思う相変わらずデジ女なヤンなのでした(数字嫌いの文系なのに)。
posted by ヤン・フレンジー at 19:19| Comment(0) | 音楽人のための仕事術

2015年11月14日

リーマンミュージシャンという欲張りな生き方

おれ、就職することになった。
もう、音楽やめるわ。

これって「かつてはメジャーを目指してたバンドマンあるある」の最上位に入るほどの鉄板ネタと思っていたけど、最近はサラリーマンでも音楽を続けるという人は多い。

ひとつは素人でも音楽ができる環境がそろってきているということや、メジャーとマイナーの境目がなくなってきたことも要因であると思う。私も今までの人生で一度も音楽やめるわ、と思ったことがない。というか、やめるとか続けるとかそういう選択肢自体は、私の中でなく、やりたいからやっているというだけなのが大きい。ありがたいことに会社の人も周りも、やめろとは言ってこない。自分も音楽への情熱や好きな気持ちがなぜだか分からないけど、なくならない。

ただし、音楽だけで食べている人たちの邪魔をしてしまっている引け目みたいなものはある。音楽だけで食べていっている人の食い扶持を奪ってるのではないか、と。でも、もっともっといいものを磨いて、自身も納得し、お客様にも納得していただきたい、という気持ちは音楽だけで食べている人と同じなのではないかと思う。お金をもらう以上は、代金に相当するかそれ以上を提供しなければ成り立たないのは、当たり前の話で、サラリーマンだろうがミュージシャンだろうが関係ない。

そう考えたときに、音楽だけに専念したほうが、仕事の合間に少ない時間を駆使してライブするよりもいいんじゃないか、という考え方もあるだろう。たしかに仕事がなければ、私が音楽に割ける時間は多くなると予想される。

仕事といっても、私の仕事は九時五時で帰れるような仕事ではなく、繁忙期には終電を越えたり、土日もつぶれたり、徹夜もしたりするような、そういう仕事だ。そして、もちろん他の方々と同様、時にうまくいかず、やりたくないことややるせないことばかりやって、それでもなお人からの信頼をなくしたり、罵られたり怒らせたり、自分の力不足で、まったく思っているように進められず、毎日めちゃめちゃつらく、本気でうつ病になりそうなくらい、挫折を味わったりすることもあったし、これからもたぶんあるだろう。

でも、だからって音楽が出来ないとか、やめるとかはちょっと違うと思っている。もちろん、音楽だけで食べている人たちが「音楽をしている」というのとまったく濃度も違うし、そもそもかけている時間が違う。私なんかはせいぜい閑散期に仕事帰りにスタジオにいったり、土日の空いている時間に練習したり曲を作ったりする程度だ。本当にその程度だ。だからミュージシャンと言い張るのはおこがましいような気がするときもある。

けれども「ヤンさんにライブ出てほしいです」とか「うちに歌いに来てください」といっていただける方々がいるのは本当にありがたいと思っているし、自分が生きていくエネルギーをいただける。基本的に土日祝日くらいしかライブは出来ないし、ツアーも長くは出られないのだけど、それでもライブをしにいくと、来てくれる人がいる。聴いてくれる人がいる。「とても良かったです。また来てください」といってくれる人がいる。CDを買ってくれる人、複数買ってさらに周りに薦めてくれる人、本当にそういう人たちの存在がとてもうれしい。仕事では出会えなかったたくさんの人々と会うことができる。

そして、そういう人たちにとって、私がサラリーマンだろうがなんだろうが関係なく、ほかのミュージシャンたちと同列にいるはずだ。だから、私が仕事忙しくて練習できませんでした、というのは許されない。見に来てくれた人たちのお金と時間と心を、ほかのミュージシャン同様、無駄には出来ない。

リーマンミュージシャンなんて、よく分からないこうもりみたいにどこにも属せない孤独感とも戦いつつ、楽しみつつ、迷いながら生きている日々でございます。

というわけで、そんなどっちつかずの存在リーマンミュージシャンのかばんの中身を晒した特集がFlick!12月号・50号で掲載いただいた4ページ特集なのですが、「仕事をしっかりこなした上での活動」だから職場の人も応援してくれてるってくだりがあるんですけど、毎日びくびくしてます。「あのクソ女は仕事もろくにせず音楽なんかいまだにやりやがって!」といわれてしまうんじゃないか、という恐怖心と「サラリーマンが片手間なんかに音楽やりやがって」と言われて卵を投げつけられている妄想、私の脳内で常に被害妄想のように両者いてくれるおかげさまで、今日も緊張感を持って仕事と音楽を続けることが出来ております。

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ご覧のように基本的には音楽マガジンではなく、いや、むしろまったく音楽マガジンではなく、デジタルツールを楽しむといういキャッチコピーのとおり、デジタル、ガジェットを楽しむためのマガジンです。
なぜだかわかりませんが、会社にギターもって行く日々を面白がっていただけたようで、そのままいつものカバンを晒しております。自分でも音楽のものと仕事のものが両方入っているというのが、新鮮な発見でした。

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至らぬ点は多々ありますが、本当に今後ともよろしくお願いいたします。

ヤン・フレンジー 拝

Flick!12月号は以下からデジタル版200円でご購入いただけます。
https://www.ei-publishing.co.jp/magazines/detail/flick-411098/

次回ライブ
Date:2015/11/22
Event:三十路酒場
Place:下北沢Lown
Time:Open19:00/Start19:30
With: タダフジカ、スウィング翻訳コンニャック
Ticket: 1000yen+1drink1food


☆居酒屋ライブです!酔っ払って日頃のウニャウニャを忘れましょう!chargeも安い!ヤンは次の日から仕事で1週間ちょい台湾へ飛ぶので、その前に日本のお酒を大量に摂取しておきます!A live show in a Japanese bar restaurant=Izakaya. The music charge is very reasonable so you can order more alcohol drink and food!
posted by ヤン・フレンジー at 22:34| Comment(0) | 音楽人のための仕事術