2015年11月14日

リーマンミュージシャンという欲張りな生き方

おれ、就職することになった。
もう、音楽やめるわ。

これって「かつてはメジャーを目指してたバンドマンあるある」の最上位に入るほどの鉄板ネタと思っていたけど、最近はサラリーマンでも音楽を続けるという人は多い。

ひとつは素人でも音楽ができる環境がそろってきているということや、メジャーとマイナーの境目がなくなってきたことも要因であると思う。私も今までの人生で一度も音楽やめるわ、と思ったことがない。というか、やめるとか続けるとかそういう選択肢自体は、私の中でなく、やりたいからやっているというだけなのが大きい。ありがたいことに会社の人も周りも、やめろとは言ってこない。自分も音楽への情熱や好きな気持ちがなぜだか分からないけど、なくならない。

ただし、音楽だけで食べている人たちの邪魔をしてしまっている引け目みたいなものはある。音楽だけで食べていっている人の食い扶持を奪ってるのではないか、と。でも、もっともっといいものを磨いて、自身も納得し、お客様にも納得していただきたい、という気持ちは音楽だけで食べている人と同じなのではないかと思う。お金をもらう以上は、代金に相当するかそれ以上を提供しなければ成り立たないのは、当たり前の話で、サラリーマンだろうがミュージシャンだろうが関係ない。

そう考えたときに、音楽だけに専念したほうが、仕事の合間に少ない時間を駆使してライブするよりもいいんじゃないか、という考え方もあるだろう。たしかに仕事がなければ、私が音楽に割ける時間は多くなると予想される。

仕事といっても、私の仕事は九時五時で帰れるような仕事ではなく、繁忙期には終電を越えたり、土日もつぶれたり、徹夜もしたりするような、そういう仕事だ。そして、もちろん他の方々と同様、時にうまくいかず、やりたくないことややるせないことばかりやって、それでもなお人からの信頼をなくしたり、罵られたり怒らせたり、自分の力不足で、まったく思っているように進められず、毎日めちゃめちゃつらく、本気でうつ病になりそうなくらい、挫折を味わったりすることもあったし、これからもたぶんあるだろう。

でも、だからって音楽が出来ないとか、やめるとかはちょっと違うと思っている。もちろん、音楽だけで食べている人たちが「音楽をしている」というのとまったく濃度も違うし、そもそもかけている時間が違う。私なんかはせいぜい閑散期に仕事帰りにスタジオにいったり、土日の空いている時間に練習したり曲を作ったりする程度だ。本当にその程度だ。だからミュージシャンと言い張るのはおこがましいような気がするときもある。

けれども「ヤンさんにライブ出てほしいです」とか「うちに歌いに来てください」といっていただける方々がいるのは本当にありがたいと思っているし、自分が生きていくエネルギーをいただける。基本的に土日祝日くらいしかライブは出来ないし、ツアーも長くは出られないのだけど、それでもライブをしにいくと、来てくれる人がいる。聴いてくれる人がいる。「とても良かったです。また来てください」といってくれる人がいる。CDを買ってくれる人、複数買ってさらに周りに薦めてくれる人、本当にそういう人たちの存在がとてもうれしい。仕事では出会えなかったたくさんの人々と会うことができる。

そして、そういう人たちにとって、私がサラリーマンだろうがなんだろうが関係なく、ほかのミュージシャンたちと同列にいるはずだ。だから、私が仕事忙しくて練習できませんでした、というのは許されない。見に来てくれた人たちのお金と時間と心を、ほかのミュージシャン同様、無駄には出来ない。

リーマンミュージシャンなんて、よく分からないこうもりみたいにどこにも属せない孤独感とも戦いつつ、楽しみつつ、迷いながら生きている日々でございます。

というわけで、そんなどっちつかずの存在リーマンミュージシャンのかばんの中身を晒した特集がFlick!12月号・50号で掲載いただいた4ページ特集なのですが、「仕事をしっかりこなした上での活動」だから職場の人も応援してくれてるってくだりがあるんですけど、毎日びくびくしてます。「あのクソ女は仕事もろくにせず音楽なんかいまだにやりやがって!」といわれてしまうんじゃないか、という恐怖心と「サラリーマンが片手間なんかに音楽やりやがって」と言われて卵を投げつけられている妄想、私の脳内で常に被害妄想のように両者いてくれるおかげさまで、今日も緊張感を持って仕事と音楽を続けることが出来ております。

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ご覧のように基本的には音楽マガジンではなく、いや、むしろまったく音楽マガジンではなく、デジタルツールを楽しむといういキャッチコピーのとおり、デジタル、ガジェットを楽しむためのマガジンです。
なぜだかわかりませんが、会社にギターもって行く日々を面白がっていただけたようで、そのままいつものカバンを晒しております。自分でも音楽のものと仕事のものが両方入っているというのが、新鮮な発見でした。

flick_cover.jpg

至らぬ点は多々ありますが、本当に今後ともよろしくお願いいたします。

ヤン・フレンジー 拝

Flick!12月号は以下からデジタル版200円でご購入いただけます。
https://www.ei-publishing.co.jp/magazines/detail/flick-411098/

次回ライブ
Date:2015/11/22
Event:三十路酒場
Place:下北沢Lown
Time:Open19:00/Start19:30
With: タダフジカ、スウィング翻訳コンニャック
Ticket: 1000yen+1drink1food


☆居酒屋ライブです!酔っ払って日頃のウニャウニャを忘れましょう!chargeも安い!ヤンは次の日から仕事で1週間ちょい台湾へ飛ぶので、その前に日本のお酒を大量に摂取しておきます!A live show in a Japanese bar restaurant=Izakaya. The music charge is very reasonable so you can order more alcohol drink and food!
【音楽人のための仕事術の最新記事】
posted by ヤン・フレンジー at 22:34| Comment(0) | 音楽人のための仕事術
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